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Interview

代表取締役 延原 孝二 Koji Nobuhara

いつから延原商事で事業に携わっていますか。

今から約30年前、1993年に延原商事に入社しました。大学卒業後、まずは他社へ就職。その後、興味のあった政治の世界での経験を経て、25歳の時に入社しました。当初は、また政治の世界に戻ろうと思っていたので、正直にいうと商社の仕事にはあまり興味がありませんでした。ただ、当時の代表であった父を手伝おうと言う思いと、時間に融通が効くため異業種交流会や環境・福祉に関する勉強会など政治の勉強として役に立つことへも注力できるのではないかと思い、延原商事を選びました。

若い頃は、介護アテンダントというボランティア活動にも参加していたんです。障がいを持った方も、健常者と同じくらしをする権利があるというアメリカの福祉の考え方に基づき、障がいをもった方が自立した生活ができるようサポートするボランティアです。駅にバリアフリー化を申請する活動の一貫として、障がいを持った方と電車を利用せずに線路沿いを何日もかけて歩き、その必要性を訴える活動をしていました。20代は、延原商事の仕事一筋と言うよりも、色々なことに目を向けていたように思います。

入社後、スタッフとして働く中でどんな仕事をしていましたか。

大学時代にアメリカの大学へ留学していた経験があり、英語や海外の方とのコミュニケーションは得意であったものの、商社や貿易に関する専門知識は殆ど持ち合わせていない状況での入社。まずは書類作成などの業務から貿易実務をコツコツ覚えていきました。

3年目頃からは、海外出張にも行くようになりました。特に印象的だったのは、インド出張ですね。
当時、自動車メーカーのスズキのインド子会社に研磨材を提供していたのですが、インドではスズキのシェアが殆どを占めており、自動車といえばスズキという状態でした。そんな状況の中、自動車メーカーが次々とインドに工場を出していたため、スズキに納品している弊社は信頼をいただきやすく他の自動車メーカーにもすぐアポイントを取ることができたんです。

アポイントが続き、インドに3週間程滞在している時のこと。ふと「この仕事好きかも」と思い始めたのを覚えています。自分の性格や留学経験を踏まえ、海外との取引が向いていると思いました。インドに限らず、世界中の国々へ渡って交渉をする。そんな商社という仕事に楽しみを見出したきっかけでもありました。

どんな時にやりがいを感じますか。

商社として、私自身の付加価値を感じていただけた時でしょうか。日本のメーカー様を海外のお取引先にお連れした際の帰りがけ、日本メーカーの部長の方が「今回の出張の収穫は延原さんと出会えたこと」と言ってくださったことがありました。その時は、この仕事をしていてよかったなと心の底から思いましたね。製品のことはもちろん、実際に現地までアテンダントをして、トラブル時は研磨の知識を持って対応をして、お客様の気持ちを汲んで対応したことに価値を感じてくださったんだなと実感しました。

実際、海外とは時差もあることから夜中まで機械トラブル対応をしたりと、困った時にいつでも頼ってもらえる存在であるよう心がけています。私自身が常に意識している「相手の目線に立つこと」を大切にお取引していることに価値を感じてもらえると嬉しいですね。商社は、右から左に製品を流すだけではなく、そこにプラスされるお客様にとってのメリットがあってこそ価値があると思っています。これからも、まずはエンドユーザーのお客様にメリットがあること、そしてメーカー様にもメリットがあることを一番に考えていきたいです。

経営者としての苦労もあったかと思いますが、どのように乗り越えてきたのでしょうか。

一番大変だったのは、父から代替わりをした頃ですね。延原商事では1998年頃より、まだビルもあまりなかった時代の中国とピアノ用の研磨紙のお取引をしていました。日本の研磨紙メーカーの製品を納品していたのですが、2007年頃にそのメーカーが中国に加工工場をつくられたことから、直接取り引きをされるようになり、貿易実務を付加価値としていた弊社を介する必要がなくなったのです。当時は、中国とのお取引が売上の8割程を占めていたので、正直本当に大変でしたね。ちょうどその頃に父が他界し、父が残したこの会社を絶対に守り抜こうと必死でした。

幸いにも、フィリピン向けの輸出のお取引で為替が円安になり救われました。円安になったちょうどその時に、フィリピンのお客様が一括で1年分の契約をしてくださったんです。他にも信頼関係のあるお客様が契約してくださるなど、助けてくださり、今まで会社を続けて来ることができました。信頼してくださるお客様の存在が有り難かったですし、この頃から多岐にわたるお客様とのお取引が増えましたね。

どんな人が延原商事に向いていると思いますか。

世界を向いて仕事をしたいと思っている人、世界と関わりたいと思っている人ですね。プラス、多様な文化を楽しめる人です。商社なので、事業は海外のお客様とのお取引が中心になります。また、大手商社と比べると小さい会社だからこそ、海外のお取引先様も大手企業ではなく地元のローカル企業が中心です。そんな中で、多様な文化や価値感に対して興味を持てる人が向いていると思います。

海外進出している日本のメーカーや商社は沢山ありますが、規模が大きくなるほど、どこにでも日本人コミュニティができていて多くのことが日本人同士で完結できるようになっています。それはそれでスムーズだと思いますが、現地の方とのコミュニケーションや、多様な文化や価値観に対しての経験値や学びは少なくなります。延原商事は、小さい会社だからこそ出張ベースで現地のローカルの方との仕事ばかりなので、現地の方とコミュニケーションを直に取りながら仕事をしたい方には、すごく適した環境ですね。そこに面白さを見出せる方は、楽しく働いてもらえるんじゃないかと思います。

採用する際に大切にしていることは何ですか。

私やスタッフとの相性が良い人であるかを重視しています。会社が小さい分、社員同士の関係性がとても大切だと思っています。私の考え方に共感してくださる方や、人とのコミュニケーション力に長けている方は、お互い一緒に仕事がしやすいように思います。

後は、自分ごととして取り組んでくれる人ですね。自分のテリトリーの業務だけで終わるのではなく、自分の範囲を超えて会社に寄与しようと取り組んでくれたり、先をともに考えて動ける人かどうかは重要だと思っています。社内でもお客様に対しても、そんな風に取り組んでいると自ずと楽しさが増えてくると思いますし、人としての幅も広がるのではないのでしょうか。

今後の目標はありますか。

これからも、今ご縁のあるお客様と深く長くお付き合いをしていきたいと思っています。私は、スポーツでも上手くなりたいと思ったら、まずは筋トレや走り込みからはじめるタイプで。いきなり大成功を目指すのではなく、小さいことからコツコツ取り組んでいきたいと思っています。10年後には売上を倍にすることを目指していますが、まずは「大きくするより強くする」をモットーに、顧客様とのお付き合いを大切にしながら、製品の幅やリピートを重視しリスク分散に取り組んでいきます。そうして10年、20年後、次世代に繋いでいけるような会社でありたいと思います。